頭の痛みの治療方法

応急処置と薬物療法
頭は人間の身体でも最も重要な部分です。何をするにも頭を使わなければなりませんが、頭痛が発生すると仕事や日常生活にさまざまな支障を来します。頭が痛いときは何事にも集中できないばかりでなく、痛みがひどいため寝込んだりしては何もできなくなってしまうのです。痛みはしばしば慢性化します。どうにかしてこの痛みから解放されたいと願っている人は少なくないはずです。頭痛の治し方には、大きく分けて2つの段階があります。1つは急性期の痛みに対応するための応急処置が中心で、多くのケースでは痛みを和らげるための薬を服用することになります。もう1つは慢性的な痛みを治療するための段階で、薬に頼らない治し方の他、痛みを起きにくくするよう生活習慣を改めるといった予防も加わります。頭痛のタイプにもよりますが、急性期には激しい痛みに襲われるため、患者は一刻も早くその痛みから解放されることを願います。薬局やドラッグストアで売られている頭痛薬は、そのために広く利用されています。市販薬に含まれる成分は数多く、さまざまなタイプの頭痛に対して幅広く痛みを緩和できるように調合されています。比較的軽度の痛みなら、市販薬を服用するだけで治る場合も少なくありません。そのため多くの人は頭が痛くなったら市販薬を飲み、応急処置を施しただけで済ませているのです。しかしながら痛みの程度が大きい場合や、慢性化して市販薬が効かなくなっている場合、応急処置だけでは済まなくなります。この段階になると多くの頭痛患者は内科などの医療機関を受診します。医師は問診や検査結果に基づいて頭痛のタイプを診断し、症状に合わせて適切な薬を処方します。この処方薬は市販薬と比べて特定の症状に強く作用するため、治療効果も高くなります。
非薬物療法と予防
頭痛の治し方における第2段階は、非薬物療法と予防です。従来の医療は薬物による対処療法が中心でした。内科などの医療機関を受診するメリットも、市販薬より効き目がある薬を処方してもらえるという点に集中していた感があります。頭の痛みの背後に何か重大な脳疾患が隠されているというケースは別として、ただの頭痛という認識は患者の側も医師の側でも抱きがちなのです。しかしながら近年は、頭痛の治し方にも変化が見られるようになりました。必ずしも薬物にばかり頼らない治療法がその1つです。頭痛のタイプによっても異なりますが、特に緊張型頭痛では首や肩の凝りによって血行が悪くなっていることが原因の1つですから、その状態の解消が効果的です。凝りや痛みを解消して血行を良くする体操やマッサージなどが知られています。片頭痛の場合はさまざまな誘因によって痛みが引き起こされます。これは脳の血管が拡張することに伴う痛みですので、急性期には光や音などの刺激を避け、暗く静かな部屋で安静にすることが有効です。患部を冷やすのも効果があります。いずれのタイプでも、日頃から痛みの起きないような生活習慣を心がけることが大切です。緊張型では首や肩の凝りを防いで血行を良くするため姿勢を正しく保ったり、適度な運動をしたりすることが予防法として挙げられます。片頭痛では誘因となる食品の摂取を避けたり、日頃から強い光や騒音などの刺激を避けるよう心がけることが予防につながります。どちらもストレスが痛みに大きく関わりますので、ストレス管理も重要です。自己管理が完全にできる人ならこうした対策も医師の手を借りずにできるでしょう。多くの頭痛患者は医師の助けを必要とする上に、根本的な治療には長い時間と根気が欠かせません。まずは内科を受診し、医師に相談して正確な診断をしてもらうことが解決への近道なのです。